Air Feed®
新たな選択肢となるゼロカーボン水産養殖用飼料
魚の養殖用飼料にはこれまで、主に天然のカタクチイワシを加工してつくられた魚粉が用いられてきました。しかし、漁獲量や値段の高騰、栄養源である動物プランクトンの減少による質の不安定性、養殖をするのに天然の魚を食べさせるという不合理などが生じていたため、かねてより魚粉に適う代替が求められ続けています。
魚を魚で飼育していた従来に依存しない方法として、植物性タンパク質などを配合した魚粉を極力使わない低魚粉飼料の開発が進められていますが、栄養価が足りていない現状もあります。Air Feed®は、こういった現状に対する新たな選択肢となるゼロカーボン水産養殖用飼料です。
市販飼料と遜色ない魚の成長を確認
Air Feed®を生産するために、空気の資源化を可能にする光合成生物、海洋性紅色光合成細菌に海水条件下で光合成に適した光を照射しながら、二酸化炭素と窒素を固定させて培養します。その際に光合成生物が蓄えた代謝物やタンパク質、アミノ酸を利用し、集菌、乾燥などの工程を通して魚が摂餌しやすいサイズの飼料にします。
そうしてできたAir Feed®の粗タンパク質(=純タンパク質に加え、アミノ酸などの非タンパク態窒素を含むもの)含有量は魚粉よりも多く、アミノ酸スコアにおいてもすぐれた数値を記録。さらには、抗酸化作用のあるカロテノイド(=緑黄色野菜などに含まれる赤や黄の色素)を含んでいるため、Air Feed®は機能性飼料として有望だと考えられます。
実際にAir Feed®をもちいたヒメダカへの給餌試験を実施し、試験後に体長と体重の測定をしたところ、市販飼料と遜色のない成長が確認できました。
Our advertisement feature in the online version of Nature
Unusual microbes on the menu for farmed fish
2024年7月11日付で、特集企画Focal Point on Building a Carbon-Neutral Societyの一部として、Natureオンライン版に記事広告「Unusual microbes on the menu for farmed fish」が掲載されました。(言語=英語)